夢見のさだめ
放課後花壇に水やりに行くと、何やらが茂みががさごそと動いていた。


ネコか何かがいるのかと思いきや、ランスロット王子だった。


何やってんの?



「……どうしたの?」

「っ!? エ、エヴァ!?」



思いのほか驚かせてしまったらしく、ランスロット王子は慌てふためいた。


その様子が可愛くてつい笑ってしまった。


それに会えると思っていなかったから、会えて凄く嬉しい。



「あはは、葉っぱついてるよ」

「え!? あ、ありがとう」



頭についた葉っぱを取ってあげると、ランスロット王子は照れ笑いを浮かべた。


最近は女の子たちから、爽やかでかっこよくなったと評判のランスロット王子だけど、やっぱり私の中のランスロット王子は放っておけなくて、どこか危なっかしくて目が離せない人。


誤魔化しのない表情と声、それから態度……素直なランスロット王子はそのままで、なんだか安心してしまった。



< 111 / 143 >

この作品をシェア

pagetop