夢見のさだめ
そりゃそうだよね。


ここの花壇の水やりやらお手入れをしたいと先生に申し出たのは私の方からだ。



「エヴァの声が心地よかったんだ」

「え?」

「たまに花に話しかけるエヴァの声が心地よくて、この場所がもっと好きになった」

「何それ!? 聞いてたの!?」



ランスロット王子の存在に気付いてからは、なるべく花に話しかけないように気を付けていた。


けどその前の独り言は綺麗に聞かれてたって事だよね!?



「ご、ごめん! 僕なんかよりエヴァの方が嫌だったよね……盗み聞きしてしまってというか、隠れているだけで声もかけなくて本当にごめん」



表情は見えないけど、明らかに声がシュンとしていた。



「いいの。 独り言は自覚してるし、私のくだらない独り言で誰かが心地よくなってくれてたなら、嬉しい限りだよ」



笑いかけると、ランスロット王子の口角が上がった。




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