夢見のさだめ
お昼ご飯を食べ終え、教室に戻るとジーナから詰め寄られた。



「どういう事!? 何で!? いつの間に!?」

「つい最近話す機会があって、それから仲良くなったの」

「王子にタメ口だし、本当ひやひやしちゃったんだから!」

「敬語じゃなくていいって言われたからいいかなと思って」

「いいわけないでしょ! もぉー普通はそう言われても敬語遣うでしょー。 本当エヴァには驚かされるわ」



確かに。


ジーナの言う通りだ。


いくら王子に敬語じゃなくていいって言われても、普通は恐れ多くてタメ口なんてきけないよね。


でも今更敬語にするのは違和感あるし……。



「オドオドしてるだけなのかと思ってたけど、話してみたら印象変わった」

「いい方向に?」

「うん。 物腰の柔らかい人だね」

「だよね。 私もそう思う」

「でもあのなよっとした感じはどうなの? あれはダメでしょー」



ハキハキしているジーナからすると、確かになよっとして見えるかもしれない。


ただ私はそんなランスロット王子の作り出す優しい雰囲気を、凄く素敵だと思う。




< 21 / 143 >

この作品をシェア

pagetop