夢見のさだめ
その晩私は夢を見た。


誰かが死んだり、泣いたりする夢じゃない。


災害が起きる夢でもない。


マッケンジーさんと楽しそうに踊っているジーナ、そしてランスロット王子の夢を見た。


タキシードを着た彼が、可愛い女の子と踊っていた。


その女の子とは話した事はないけど顔は知っていた。


伯爵家のご令嬢。


ランスロット王子の表情まではハッキリとは見えなかったけど、堂々とした様はやっぱり王族なんだと思わされた。


いつもよりも早くに目覚めた私は変な汗をかいていた。



「胸がドキドキしてる……」



胸に手を当て目を瞑った。


深く深呼吸をして、ドキドキが治まるまで少し時間がかかった。




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