夢見のさだめ
近頃校内では男女一組でいる所をよく見かけるようになった。


それもそのはず。


もうすぐ学校で舞踏会が催される。


10年生も学校に少しずつ慣れ、他のクラスや上級生たちとも親睦を深める事を目的とされた学校行事だ。



「パートナーは決まった？」



朝、席に着くなりジーナに聞かれた。


笑って誤魔化すと、呆れた顔をされた。



「信じらんない。　あれだけの誘いを一つも受けずに断ったわけ？」

「だってよく知らない人たちだし、私は一人でも大丈夫だよ」

「エヴァがよくっても私がイヤ！　それにパートナーなしなんて、ハンクさんとリタさんが心配するわよ？」



基本はパートナーと一緒に出席なわけで、確かに両親に一人で行くなんて言ったら心配を掛けてしまう。


それでも取りあえずみたいな感覚でパートナーを選ぶのは気が引ける。


どうしたものか……。




< 25 / 143 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop