夢見のさだめ
放課後いつもの様にお花に水をやっていると、「すみません」と声を掛けられた。


顔を上げると知らない男子生徒が立っていた。



「突然ごめん。 今いいかな?」

「えっと、どうぞ?」

「今度の舞踏会なんだけど、良かったらパートナーになってくれないかな?」

「え?」

「色んな人に声を掛けられてたから、もうパートナーは決まってると思ってたんだけど、まだ決まってないって聞いて」



どっからそんな話きいたんだろう。


っというか、どうしてみんな当然自分の事しってるだろ?みたいな感じで話しを進めるんだろう。


お誘いは有難いけど、取りあえずまず名乗ってほしい。



「誘ってくれて有難う。 でもごめんなさい」

「パートナーがいないなら断る理由なんてないだろ!?」

「もう決まってるから……」



嘘だけどこう言わない限り引いてくれそうになかった。


案の定彼は「それならしかたない」と言って帰って行った。




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