夢見のさだめ
「それで君は未だパートナーがいないというわけか」



この人の口調腹立つな……。


学校で見かけている限りではこんな感じの人だとは思わなかった。



「パートナーがいないなんて一言も言ってませんけど?」



私は精一杯の笑顔を浮かべた。


相手が王子様じゃなかったら文句の一つ……いや、思いつく限りの文句を言ってるところだ。



「パートナーの名前を聞いても?」

「いいえ、お断りします」



そう言うとドミニク王子は「ははっ」と小馬鹿にする様に声を漏らした。


この人何しに来たわけ!?



「君は嘘が下手だな」

「嘘じゃありません」

「まぁそんな事はどうでもいい。 仮にパートナーがいたとしても関係ない。 君のパートナーは私だ。 ありがたく思え」




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