夢見のさだめ
とうとうこの日がやってきた。



「まぁ! 凄く綺麗よ!」

「今日は一段と綺麗だよ」

「あはは、ありがとう」

「お迎えに来てくれる彼はどんな人かしらね。 楽しみだわ」

「……そのこ__」

「なんだか娘を嫁に出す気分だよ。 今からお男の子がお前を迎えに来るなんて考えたくない」



肩を落とすパパとそのパパと笑顔で腕を組んでいるママ。


ママがパパを慰めながら二人は部屋から出て行った。


どうしよう……ただでさえ「パートナーいない」って言い辛いのに、更に言い辛くなった。


でも出る時には言わなきゃいけない。


ジーナにも『当日のお楽しみ』と言ってしまった為、学校できっと……ううん、絶対怒られる。


ドレス姿の自分を鏡で見ながら、今すぐにでも逃げ出したい思いにかられた。



「エヴァ!! エヴァ!!!!」

「ど、どうしたの?」



さっき落ち込んで出て行ったばかりのパパが、慌てて部屋に入ってきた。



「どうしたのじゃないだろう!! 驚き過ぎて何て言っていいのか……まさか舞踏会のパートナーがドミニク王子だとは思わなかったよ」



はい!?



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