夢見のさだめ
雰囲気やステップに少しずつ慣れていくと、周りがよく見える様になってきた。


私たちと同じように踊っているランスロット王子を見つけた。


彼の踊っている姿を見て目を疑った。


いつも控えめで俯きかげんの彼が、今は胸を張り、しなやかな動作で踊っている。


別人みたい……。



「兄との関係は?」



関係って今更?


っというか知ってたんじゃないの?



「友達ですけど……」

「へぇ、友達ね」

「何ですか?」



意味深な顔をされてイラッとした。



「やはり君を誘って正解だった、とだけ言っておくよ」

「どういう意味ですか?」

「兄の珍しい姿が見られたからね」



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