夢見のさだめ
あの夢を見て三日目の朝。


気分は最悪だった。


全然眠れなくて、身体も怠い。


ダイニングルームに行くと、両親は1枚の紙を覗きながら険しい顔をしていた。



「……おはよう。 朝から浮かない顔してどうしたの?」



紙に書かれている事は見なくても知ってた。


けど夢を見た事がばれない様に平静を装った。



「今朝早くにアイリス様が乗った馬車が事故に遭った様だ。 今捜索しているみたいだが、まだ見つかっていないみたいだよ」

「早く見つかるといいわね」



事故じゃないよ。


そう見える様に仕込まれただけ……。



「アイリス様って……」

「現国王陛下と王妃様の愛娘だよ。 ランスロット王子が誰よりも可愛がっている妹君だ」



< 57 / 143 >

この作品をシェア

pagetop