夢見のさだめ
頭の中が真っ白になった。


夢はとても悲しい結末だった。


ランスロット王子の涙。


その涙の意味を今漸く理解した。


アイリス様はいつも話に出てくる可愛がってる妹さんだ。



「エヴァ?」



パパに声を掛けられてハッとした。



「怪我とかしてないといいね」



最低だ。


怪我どころかアイリス様は……っ。


今までどんな夢を見ても私は見て見ぬふりをしてきた。


その中には残酷なものもあった。


いつも胸が苦しくて辛かった……今は胸が張り裂けてしまいそうだった。



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