夢見のさだめ
ドミニク王子の姿が見えた。


普段見ている姿とは違う。


怖いくらい真面目な顔をしている。



「ドミニク!!」

「兄さん!? それにエヴァも!! 何してるんだ!?」



最後の言葉は私に言われている気がした。


馬から降りると、足に上手く力が入らなくてふらついた。


そんな私の腕を取り支えてくれたのはドミニク王子だった。



「兄さんはともかく、君が何でここに!? 今の状況をちゃんと分かっ__」

「分かってます!!」



つい声が大きくなってしまい、ドミニク王子は驚いた顔をした。



「どうしてもお話ししたい事があって……っ、ランスロット王子に無理を言って連れてきてもらったんです。 お話ししたら直ぐにいなくなりますから! だから話しを聞いて下さい! お願いします!!」



ランスロット王子に肩を抱き寄せられ見上げると、真剣な瞳が見えた。



< 67 / 143 >

この作品をシェア

pagetop