夢見のさだめ
側近の二人からはあからさまに怪訝な顔をされた。


けど、ドミニク王子はただただ真剣な顔のままだ。


意外だった。


ドミニク王子の事だから小馬鹿にしたように怒るかと思った。



「それはどこからの情報だ」

「……私の夢、です」

「ふざけるのも、たいがいにしろ!!」



側近の怒声に一気に体が強張った。



「今の状況を理解できていないようだから説明してやる!! 早朝から大勢の兵たちが血眼になって捜索している! にも関わらず見つからない!! 情報提供者が現れたと思えば情報源が夢だと!? お前は__」

「ロッド、落ち着け」

「ですがっ__」

「そうですよ、貴方は相変わらず怒りの沸点が低くて困ります」

「じゃあお前はこんな馬鹿げた話しを聞いた方がいいっていうのかよ!? 時間の無駄だろ!!」



ロッドさんの反応がきっと普通だ。


それでもやっぱり辛かった。



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