夢見のさだめ
「アイリス様の乗った馬車は事故じゃなくて、盗賊に襲われたんです」

「盗賊だと?」

「御者の男性は殺されました。 アイリス様とおつきの方々は連れ去られ、事故に見せかけるため偽装されました。 ここら一帯を捜索するけど見つからず、明日の朝アイリス様を見つける事になります」

「アイリスは見つかるんだね!? 何処で!?」



嬉しそうな顔をするランスロット王子を見て胸が痛んだ。


夢の通りに事が運べば、この人は泣き崩れる事になる。


その時の様子は一番覚えている。


忘れられない。



「浜に打ち上げられてるところを、発見されるの」

「それって……」



ランスロット王子の顔が悲痛に歪んでいった。


見ていられなくて思わず顔を背けた。



「何故そうなった」



冷静を装うドミニク王子だけど、感情を抑え込む様に拳は微かに震えていた。



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