夢見のさだめ
「あり、がとう……ございま、す……っ」



張っていた糸がほんの少し緩み、涙が溢れた。



「泣くのは後だ。 場所を教えてくれ」



私は力強く頷いて見せた。


そして涙を拭った。



「港から少し離れた場所に小屋があります。 生活感がなく古くなっている様子なので、廃屋だったんだと思います。 そこにはアイリス様たちだけじゃなくて、他にも連れ去られたと思われる人たちがいます」

「相手は何人くらいいる」



ロッドさんに尋ねられ、思わず身構えてしまった。



「中の見張りは確か2,3人で、外は……」



えっと……何人だった?


確かドアのところには一人は居たと思うんだけど……。





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