夢見のさだめ
頑張って思い出しながら、夢で見た事を必死に教えた。


話し終えると、ドミニク王子は側近の二人と話をまとめ、兵たちへ指示を出し始めた。



「僕も一緒に行く」

「兄さんは城へ戻っていてくれ」

「そういう訳にはいかない。 僕だけが何もしないなんて、そんな事できない」



いつもの頼りない感じは微塵も感じられなかった。


揺るがない決意、そして覚悟を感じた。



「私もランスロット王子も行った方がいいと思います。 アイリス様はお体もそうですけど、心もだいぶ弱ってらっしゃるようですから、少しでも早くランスロット王子のお顔を見せてあげた方が、容体も落ち着くと思います」



本当は行ってほしくなった。


今から夢とは違う現実が待ってる。


もう私にも分からない未来。


ランスロット王子が無事に帰ってくる保証なんてどこにもない。


けどこんなに必死なランスロット王子に「お城で待っていよう」とは言えなかった。


そして私は一人兵に連れられ、お城に戻る事になった。



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