夢見のさだめ
◇Ⅵ夢 夢見の力
アイリス様たちは無事に見つかり、お城の人も国民も、喜びの声を漏らした。


けどアイリス様はやはりかなり衰弱していた様で、今もお城の中で安静にしている。


ランスロット王子曰く、ほぼベッドの上で過ごしているとの事だ。


アイリス様が見つかった日、ランスロット王子は涙を流しながら私にお礼を言った。


夢の様に悲しみの涙ではなく、嬉し涙で良かったと思った反面、私はとんでもない事をしてしまったんじゃないのか?と、後悔にも似た感情に襲われた。



「こんなに畏まった格好じゃなくていいと思うよ?」

「何言ってるのよ。 お城にお呼ばれされたんでしょう? 普段着では失礼だわ」



後日改めて夢について話しを聞かせてほしいとドミニク王子に言われ、今日お城に行く事になっている。


両親には友人としてお城に呼ばれたとだけ伝えた。



「エヴァよりもママの方が張り切っているな」

「あ、パパ。 おはよう」



昨日は仕事でいつもよりも帰りが遅かったパパ。


疲れているのか、珍しく遅い起床だ。




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