夢見のさだめ
玄関先に立つランスロット王子を見て驚いた。


馬車を出すとは言われていたけど、まさかランスロット王子が来るとは思っていなかった。



「せっかくだし、迎えに来たんだ」

「そっか。 ありがとう」

「いいんだ。 それより、今日はいつもと雰囲気が違うね」

「え!? あ、これはママが……」



ママが楽しそうにしてるし、せっかく選んでくれた洋服だし、たまにはこういう格好もいっかと思ったけど、いざこうしてランスロット王子に見られるとやっぱり恥ずかしい。


やっぱり着替えてこようかな……。



「似合ってるよ」

「ほ、本当!?」

「うん、本当」



お世辞かもしれないけど、なんか照れてしまった。



「ランスロット王子、わざわざ迎えに来て頂きありがとうございます。 娘を宜しくお願い致します」



父の言葉に、ランスロット王子は「エヴァは僕の大切な友人ですから」と言ってくれた。




< 77 / 143 >

この作品をシェア

pagetop