夢見のさだめ
今までなら素直に喜べていた言葉も、今は素直に喜べなかった。


両親との約束を破ってまで私は未来を変えたいと思った。


あの日を境に、私はランスロット王子の事を考えてばかり。


そう、気付けば私の中で特別な存在になっていた。


そんな人から“友人”と言われることが、こんなにも辛い事とは思っていなかった。


元々身分違いにもほどがあるし、こうして友人と言ってもらえるだけでも喜ばなきゃいけない。


そうは思うものの、受け入れるには時間がかかりそうだと思った。



「緊張してる?」

「ちょっとだけ」

「すぐに緊張もなくなるよ」

「そうだといいんだけど……」

「もし時間があればなんだけど、アイリスにも会ってもらえないかな?」

「アイリス様に? でも……」



まだ容体の優れないアイリス様に会えるのは、限られた人だけだと聞いている。



「僕の友人を紹介してあげたいんだ」




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