夢見のさだめ
唖然としていると、ジェーコブさんは目に涙を溜めながら「申し訳ありません」と言った。



「ドミニク殿下とその様にお言葉を交わす方があまりにも珍しくて、つい笑いをこらえきれませんでした」



私ってばいつもの調子でつい……。



「すみません……気を付けます」

「いいえ、いいんですよ。 ドミニク殿下がお許しになっておられる様ですので、私共は何も口出しは致しません。 ねぇ?」

「無論だ。 だが、ドミニク殿下に仇なすつもりなら容赦はせん」



相変わらずロッドさん怖い……。


目力凄すぎ。



「立ち話もあれだし、座ろうか」

「あ、うん。 そうだね」



私の為に椅子を引こうとしたランスロット王子の手を止めた。


流石に王子様に椅子を引いてもらうのは、気が引ける。





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