夢見のさだめ
「どうしたの?」

「椅子ぐらい自分で引ける」

「僕がそうしたいんだよ」

「駄目だって。 それに友達同士でそんな事しないよ」



そこまで言うと、ランスロット王子は諦めてくれた。


私たちはドミニク王子と向かい合う様に座った。



「単刀直入に聞く。 君が言っていた“夢”とはどういう事だ」



ドミニク王子が話しを切り出した途端、一気にみんなの視線が刺さった。


この話をするためにわざわざ来たんだけど、今更ながらまた迷ってる。


私ってばどうしようもない奴。



「エヴァ……?」



力を利用した事、力の事がばれてしまった事……やっぱり後悔せずにはいられない。


けど、ランスロット王子の為に未来を変えた事は少しも後悔していない。


笑って見せると、ランスロット王子も笑ってくれた。



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