夢見のさだめ
未来を知っていようがいまいが、私はなんて……。



「無力、なんだろう……」



私一人では何もできない。


周りに力をかりなければ何もできない。


それなのに、その人たちの未来の事なんて微塵も頭になかった。



「なんて烏滸がましい……っ」



膝の上でスカートをギュッと握った。


自分が恥ずかしくて堪らない。


思い上がりもいいところ。



「エヴァは、僕の大切な人を救ってくれた」



手をそっと握られ、隣に顔を向けた。



「盗賊との戦いで傷を負った者もいる。 けど、エヴァが教えてくれなかったら盗賊を討伐できなかったし、罪のない人々を守る事が出来なかった。 もしも盗賊を逃していたら、この先も罪のない人々が苦しんでいたと思う。 だからエヴァには本当に感謝しているんだよ」



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