夢見のさだめ
ずっとぐだぐだと考え込んでいた私の背中を押してくれたのはジーナ。


ジーナはよく分かってないかもしれないけど、それがなければ色んなことが手遅れになっていたかもしれない。



「お願いがあるんですが……いいですか?」

「何だ。 今回の件は忘れろ、とかそういう事か?」

「違います。 両親には私の力の事を秘密にして頂けますか?」



ドミニク王子は驚いた顔をした。


けど直ぐに眉間に皺を寄せた。



「それは構わないが……いいのか? ここで力を貸すつもりはないと意思表示、もしくは何かしら交渉しなければ、もしかしたら、君の力を私たちは悪用するかもしれないんだぞ?」



ランスロット王子の顔を見て、次にドミニク王子の顔を見た。


私は笑って口を開いた。



「ランスロット王子は心の優しい方ですから、絶対にそんな事はしません。 ドミニク王子は何を考えているのかよく分からないですけど、他人の力に頼るなど、プライドが許さないでしょう? ですから、私は信じています」

「ははっ、君は相変わらずだな。 その通りだよ。 他人の力に頼り、依存せねば国を纏める力、そして自信がないのであれば、私は直ちに王位継承権を放棄するだろう」




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