夢見のさだめ
ロッドさんとジェーコブさんは目を伏せ、静かに口角を上げた。


炎の様に熱く、力強い眼差しを持つドミニク王子の事を心から信頼している……そんな雰囲気を感じた。



「私はエヴァには頼らない。 だが、エヴァが力が必要とあらば、いつでも私のところにくるといい」

「え……?」

「まぁ、力を貸すかどうかは話しを聞いてからだけど。 話しをするかどうかは君の自由だ」



相変わらず態度がでっかい。


見事な上から目線。


それでもこれぞドミニク王子、と思うと許せてしまうから不思議だ。



「ありがとうございます。 ではお言葉に甘えて、お話ししていいですか?」

「ははっ、早速だな。 好きなだけどうぞ」



この夢の話しもするべきか悩んでいた。


最初はたいしたことのない夢だと思ってたけど、二度目に見た時にそうじゃなかったと分かったから。


悩んでいたけど、きっと話す事なく帰るだろうと思っていた。


けどドミニク王子の言葉を聞いて、信じてくれている人たちを大切にしたいと思った。




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