夢見のさだめ
話しが話しだからしょうがないんだけど、部屋の空気が重くて居辛い。



「この話を他でしていないな?」

「してません」

「ないとは思うが、他言無用で頼む」

「勿論です」

「君が情報源だとばれれば、君まで危険な目に遭う。 こちらも慎重に進めるが、もし不安や違和感を感じたら私でも兄さんでもいいから、遠慮せず話しをしろ」

「……分かりました」



その言葉で一気に不安になってきた。


私の不安に気付いたのか、ランスロット王子は背中をポンポンと優しく叩いてくれた。


私の事友達じゃなくて、妹みたいに思ってるとかじゃないよね?


ランスロット王子の手があまりにも優し過ぎて、ふとそんな風に思ってしまった。



「因みにですけど、作った毒は小瓶に入れて、お部屋の植木鉢の土の中に埋めて隠してますよ」

「そうか、分かった。 調べてみる。 それより……エヴァ、君はこの力を自分の為に使おうとは思わないのか?」



自分の為に?



< 91 / 143 >

この作品をシェア

pagetop