恋雪
始まりの時
「超おなかすいたーー!!!」
待ちに待った昼休み。
深雪はいつものように机の上でお弁当を開く。
勉強なんか大嫌いだけど、同じクラスで仲良くなったちえと一緒にお弁当を食べるのが学校生活で唯一の楽しみな時間だ。
―星川深雪―
今年の4月高校に入学したばかりの高校1年生。
入学してからまだ3ヶ月足らずだけど、けっこう充実した毎日を過ごしていた。
頭がいいというわけでもなく、特別かわいいというわけでもない。
高校生って部活に没頭したり、将来の夢とか目指したり、もっとこう青春ぽいのかと思ってたけど意外にそうでもなかった。
中学のころからわりと平凡な人生を送ってきた。
人生というほどのものじゃないけど、普通に友達もいたし、付き合ってた人もいた。
だけどどの恋もすぐに終わってしまう。
本当の恋ってなに?
私はそんなの知らない。
知ってるのはすぐに終わってしまうはかない恋、ただそれだけ。
恋なんてしなくていい。今のまま大切な友達とそれなりに高校生活を送れたらいいと思ってたのに。
そんな中……君に出会った。
このまま平凡に終わる予定だった深雪の人生は、君に出会ったことによって大きく変わっていく。