恋雪
その日の午後の授業は、ロングホームルームだった。
内容は来週にせまった「遠足」の班決めだ。
今回の「遠足」は班によって自由に行動していいことになっている。
「じゃー、まずは男子は男子、女子は女子で2人ずつのグループになってくださーい」
担任の呼び掛けで、生徒たちは席をたって仲のいい友達とくっつき始める。
私はもちろんちえとだ。
「2人でまわりたかったなー」
「何いってんのー?深雪!ここで同じ班になった男子といいかんじになれば、念願の彼氏でくるかもじゃん!!」
「そんなうまくいくもんかねー?」
私が腕を組みもんもんとしていると、そこで男子の1人が「先生」と手をあげた。
「2人ずつだと男子が1人余りますけど」
「え?」
と眉をあげて教卓に置いた名簿をとりあげた担任は「あー」と頭の後ろをさわった。
「そっかー、うちのクラスは男子が1人多いんだったなー。うん、じゃあ1人は適当にまぜてもらって。それでそこは5人班にしたらいいわ」
深雪はちらりと横の席の山田を見た。
山田は他の男子と組を作ることを初めからあきらめてるらしく、ただ教室のなりゆきを眺めている。
1人あふれる男子、絶対この人だ。
あーかわいそう……と思いながらちえと話しつづけた。
内容は来週にせまった「遠足」の班決めだ。
今回の「遠足」は班によって自由に行動していいことになっている。
「じゃー、まずは男子は男子、女子は女子で2人ずつのグループになってくださーい」
担任の呼び掛けで、生徒たちは席をたって仲のいい友達とくっつき始める。
私はもちろんちえとだ。
「2人でまわりたかったなー」
「何いってんのー?深雪!ここで同じ班になった男子といいかんじになれば、念願の彼氏でくるかもじゃん!!」
「そんなうまくいくもんかねー?」
私が腕を組みもんもんとしていると、そこで男子の1人が「先生」と手をあげた。
「2人ずつだと男子が1人余りますけど」
「え?」
と眉をあげて教卓に置いた名簿をとりあげた担任は「あー」と頭の後ろをさわった。
「そっかー、うちのクラスは男子が1人多いんだったなー。うん、じゃあ1人は適当にまぜてもらって。それでそこは5人班にしたらいいわ」
深雪はちらりと横の席の山田を見た。
山田は他の男子と組を作ることを初めからあきらめてるらしく、ただ教室のなりゆきを眺めている。
1人あふれる男子、絶対この人だ。
あーかわいそう……と思いながらちえと話しつづけた。