ゼロの相棒《番外編》
レオが、ポケットの中で私の手をぎゅっ、と握る。
ぴくり、と私の体が小さく震えた。
少し動けば肩がぶつかってしまう程のレオとの距離が、急にわたしの体温を上昇させる。
その時、ダークレッドの瞳と目が合った。
「「!」」
私たちの時が、一瞬止まる。
私も、レオも。
もうお互い視線をそらせない。
するとレオは、すっ、と私の方へと近づいた。
え……?
ま……まさか
“キス”される………?!
私の心臓はさらに駆け足になる。
う…うそうそ。
嘘でしょ?
待って。
だって。
私たち
まだ恋人でもなんでもないでしょう──…?
私は、きゅっ、と目をつぶった。