ゼロの相棒《番外編》
くそっ…速ぇ……!
魔力を使っているのか…?
この屋敷は入り組んでいて、迷路のようになっている。
スタート地点の方角へ走って行ったからといって、奥に進んでいる場合もある。
もしかしたら、あいつの方がベルと会うのが早いかもしれない。
……というより、なんであの男は俺を見て逃げたんだ?
追い返したいつもりなら、俺にも魔法をかけてきたりするだろ、普通。
まさか
あいつの狙いは…“ベル”なのか……?!
俺は一気に魔力を放出させて男に迫った。
そして、グンッ!とマントを掴む。
「!」
しかし、その感触は人のものではなかった。
ぐいっ、と引き寄せると、マントだけが俺の手に残った。
!人が消えた?!
まさか、これは囮だったのか?!
くそ!俺としたことが。
まんまと引っかかっちまった!
「ベル!!」
ばっ!と後ろを振り向いて叫ぶ。
……返事はない。
くそ………!
無事でいてくれ………
ベル!!!
《レオside終》