ゼロの相棒《番外編》



呼吸が荒くなる。


急に混乱し始めた。



………本当に、あの男だったら…?



コツ………。







その瞬間、私の背後から足音が聞こえてきた。



コツ……コツ………。



だんだんと、私に近づいてくる。







まさか……追いかけてきた…?



声を出そうにも、喉が何かで塞がれているように、声が出せない。


足も、力が入らず、立つことが出来ない。


足音は、止まることなく私に近づいてくる。



……嫌………!



次の瞬間、足音が急に速くなった。



コツコツコツッ!!



恐怖で後ろを振り返ることが出来ない。


足音は、だんだんと大きくなる。



やめて……来ないで!!



あの男だったら?あの男だったらどうしよう。



次の瞬間、私の肩が


ぐいっ!!


と掴まれた。



「や…………!!」


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