ゼロの相棒《番外編》



ゴンドラは、ゆっくりと頂上へ近づいていく。


レオがそれを見て、瞳を輝かせ始める。



「あと五秒。」



とくん。


心臓が跳ねる。



「四。」



レオがカウントダウンを始める。


ゴンドラは確実に登っていく。



「三。」



レオが私の肩に手を回した。



うっ!


近い!



「二。」



緊張が高まる。



何?……何が起こるの?



「一。」



その瞬間、レオの瞳が強く輝いた。



パァッ!!!



「わ………ぁっ……!」



次の瞬間、廃墟の遊園地が、パアッと光り輝いて、光の世界が眼下に広がった。


青や、赤。緑や白など、七色の光が、遊園地を。私たちを包んでいく。



これって……魔法のイルミネーション……?



「綺麗……。」



私は、無意識に、ぽつり、と呟いた。





すごい……!


本当に、夢の世界にいるみたい…。



レオが、私の方を見て、にっ、と笑った。



「どう?……綺麗だろ?

ベルに見せたくて、ずっと考えてたんだ。」



どきん!



今までで、一番大きく心臓が鳴った。



その瞬間、私は悟る。


今までの胸の高鳴りも。

この気持ちの正体も。すべて。



あぁ…


私…………




ずっと前からレオのことが……





「好き…………。」




「え?」





「「え?」」

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