ゼロの相棒《番外編》
噂では、その放火魔は、一日置きに犯行に及んでいるらしくて、今日が犯行日だという。
……物騒な世の中になったなぁ…。
都市は、ガーディアンが守ってくれているとはいえ、少し不安だ。
私は、暗い気持ちを振り切るように、ぶんぶん、と首を振った。
「さ、開店準備をしましょ!
いつまでも心配していたって、キリがないわ!」
私の言葉に、二人の店員はテキパキと、酒場の準備を始める。
すると、棚を整理していたナナが、思い出したように「あっ!」と叫んだ。
「ベル!都市の地酒、切らしていたわよ!
もう一瓶しか残ってないわ!」
あ、そうだった!
昨日、お店をお休みにしたから、買い出しに行けなかったんだった!
私は、在庫の整理を中断して、二人の店員に声をかける。
「じゃあ、ちょっと商店街まで行ってくるわね。
すぐに戻るから、お店の準備を続けてて!」