ゼロの相棒《番外編》
今なら。
レオを抱きしめ返しても、いいんだろうか。
私が、独り占めしてもいいんだろうか。
その時、レオが私の琥珀色の髪を撫でた。
「これで………完全にベルは“俺の”な。
もう、ストーカー男になんか捕まるんじゃねぇぞ?」
私は、こくん、と大きく頷いた。
そして、思い切って彼の胸に飛び込む。
「わっ!………今度は抱きついてくれるんだ?」
「“今度”?」
「お化け屋敷では抱きついてくれなかったじゃん。」
……あの時とは違うよ。
もう、私たちはあの時の関係じゃないもの。
「これから……ずっと私の側にいてくれるんでしょ?
…“私専属のガーディアンさん”?」
私の言葉に、レオは少し目を見開いて、
そして、にっ、と笑った。
「おぅ。当たり前だろ。
三年越しの想いはこれからも一生変わらないからな。」
私は、この時、心からレオに会えてよかったって思えた。
やっぱり、私の王子様は
今までも、これからも
レオ一人だけなんだ。
「じゃあ、帰ってビビちゃん達にも顔を早く見せてあげなきゃな。
ベルのこと、心配してるぞ。」
あ、そうだ!
酒場がストーカー男に燃やされたんだ!