ゼロの相棒《番外編》
「ねぇ、酒場とビビ達は無事なの?」
「心配すんな。俺が魔法で消しといた。
二人も無事だよ。」
私は、ふぅ、と息を吐く。
よかった……。
私の帰る場所は、ちゃんとある。
「あ!お酒!!
せっかく買い出ししたのに、どこかにいっちゃったわ。」
大金だったのになぁ……。
すると、レオが「俺が飲む酒なら買ってやるよ。」と、笑った。
「ベルが無事だったなら、それでいいよ。」
きゅん、と胸が鳴った。
その言葉は、ゆっくりと私の胸に染み込んだ。
「さ、帰るぞ。」
レオがすっ、と私を立たせて、手を握った。
まるで、あのデートの日のように。
「……また…ここにも来ようね。」
「ん。“約束”な。
まぁ、ブラッド隊長がそろそろ帰ってくる頃だから、まだ先になりそうだけど。」
レオが、そう言って瞳を輝かせた。
二人をレオの魔法が包んでいく。
………二人で、帰ろう。
私たちの酒場に。
*第2章・完*