ゼロの相棒《番外編》


俺の言葉に、青年は笑って答えた。



「さっすが、隊長。お見通しですね。」



この、いつも仕事を上手くサボろうとする不謹慎な野郎は、レオ。


上級ガーディアンの一人で、俺の部下だ。


……問題児過ぎて手がかかる。


すると、ダリシーン王が俺を見ながら言った。



「レオの言うことも一理ある。

だいたい、二週間ぐらいはゆっくりしてきていいぞ。

リベリオンの件も落ち着いたしな。」



に……二週間も?!


本当に“有給”なんだろうか……?

これで給料減ってたら、直談判しよう。


まぁ、せっかくの機会だし……。

少し気が進まないけど、実家に帰って、ドロシーに兄らしいことをしてやらないとな。


いつも塔のことを任せてばかりなのも悪いと思っていたから、久しぶりに羽を伸ばすとしよう。



「……じゃあ、二週間ですね?

ありがたく休ませてもらいます。」



俺は、ダリシーン王にぺこり、と頭を下げて

故郷に持ち帰る荷物をまとめる為に、部屋を出た。

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