ゼロの相棒《番外編》
ジンの弱点
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《ジンside》
「都市を歩くのは久しぶりだな…。」
僕は、懐かしい都市の町並みを眺めながら歩く。
……一年経っただけとはいえ、少し記憶の中の都市と違うな。
ふと、そんなことを思う。
僕が、ゼロを探して旅に出てから今まで。
一年間というのは、長いようで短かったように思える。
ゼロと星の町で再開してからは、なおさらだ。
僕は、はぁ、と小さく息を吐いて、空を見上げた。
……ジェフの成長ぶりにも、正直驚かされた。
ちょっと見た感じ、大人びたな、とは感じていたが
まさか、魔法使いとしての腕も上がっていたなんて。
……あいつが、ラグナをねぇ………。
気づいていなかった訳ではないが、まだ幼かったあの少年は、“憧れの年上のお姉さん”として、ラグナを尊敬しているだけかと思ってた。