ゼロの相棒《番外編》

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「おい!待てよ!!」


「……っ!!」



俺は、背後からぐいっと襟を掴まれた。


く……首が締まるっ!!


俺は、その腕をぶんっ!と振り切った。


そして、俺を引き止めたやつを見る。



「お前………ぶ…ブラッドか……?」



ロイは、目を見開いて、俺を見つめる。

口が塞がらないようだ。


そりゃそうだよな。

死んだと思ってたやつがいきなり目の前に現れたんだから。



「お前…ほんとにブラッドか?」


「あぁ。………久しぶりだな。」



その瞬間、ものすごい勢いで、鉄拳が飛んできた。



「うわっ!!」



それを紙一重で避ける。



「お前、何でこの六年間、一つも連絡しなかったんだよ!!

ドロシーちゃんは知ってるのかよ?!」



ロイは、本気で怒りを宿した瞳を俺に向けた。



「……悪い。……それしか言えない。

ドロシーには、事故が起こってからすぐに連絡したんだよ。」



すると、ロイは、はぁ……と息を吐いた。



「……まぁ、忙しかったのはわかるけど、俺はともかく…。

何でカトレアさんにも何も言ってあげてないんだよ。」


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