ゼロの相棒《番外編》
君の影を探して
****
「!お兄ちゃん!いつ帰って来たの?!」
キィ、と月の塔の階段を登った先にある
部屋の扉を開ける。
すると、俺の姿を見たドロシーが、キラキラと瞳を輝かせて笑った。
とことこ、と俺に近づいてくる。
「さっき着いたばかりだよ。
ただいま。元気にしてたか?」
「うん!元気だよ!
お兄ちゃんいつまでここに居られるの?」
ドロシーは、少し不安そうな表情を浮かべて俺を見上げる。
会ったばかりなのに、もう別れの心配か?
…やっぱり、一人で暮らすのは寂しいよな。
俺自身も、いくらお金を稼ぐ為だとはいえ、まだ幼い子を一人ここに置いていくのは心が痛む。
俺は、ふっ、と微笑んで、妹の顔を見ながら答えた。
「今回は二週間ぐらいここに居られるんだ。
……久しぶりに一緒に料理でもするか?」
すると、ドロシーは、にっこりと笑みを浮かべて、こくん、と大きく頷いた。