ゼロの相棒《番外編》
その瞬間、カトレアの表情が変わった。
そして、くるり、と向きを変えて
店の外へと飛び出していく。
!
まさか!
ブラッドに会うために、遺跡に行こうとしているのか?!
「待ってください!カトレアさん!!」
俺は、彼女の背中に向かって叫んだ。
「あいつはまたここに帰ってきます!
あなたと話をするために、ここに帰ってくるんです!」
すると、カトレアはピタリ、と足を止めた。
そして、少しの沈黙のあと、こちらを振り返ることなく答える。
「“また”なんて……もう信じられません。
あの人は……約束を破る人だから。
……いきなりこの世からいなくなっちゃう人だから…!」
そう言うと、カトレアは町の門に向かって走り出した。
「あっ!待ってください!」
「カトレアさん!!」
俺とドロシーが呼び止めたが、その声は彼女には届かなかった。
《ロイside終》