ゼロの相棒《番外編》

その瞬間、頭の中が、すべて冷たくなったような気がした。

そして、再び、涙がこぼれる。


ロイや、ドロシーがいることだとか、

男だから、だとか、

そんなことは一切頭から消えて。


ただ、涙が止まらなかった。


こんな事のために、俺はこの町に帰って来たんじゃない。


カトレアを死なせるために、この遺跡に来たんじゃないんだ。


なのに……なんで…!!



「カトレアーっ!!!!」



俺は、返事のくるはずのない名前を、空に向かって叫んだ。


今から瓦礫を持ち上げられたとしても

見つけるものは、見たくもない姿のカトレアだ。



……ごめん。


ごめんな、カトレア………。


俺が………俺が、君を…………!



…と、その時だった。




「───ブラッドさんっ!!」



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