ゼロの相棒《番外編》
テントを張り、中へと入った私は、先に中に入ってたゼロを見る。
………やっぱり、少年の時とは違うなぁ。
顔も大人びて、整っているのが際立ったし、魔力も今までより大幅に大きい。
体も、私をすっぽり抱きしめられるほど大きくなったし…………
って、何考えてんの!!私!!
そう。
願いの町に着く前の私たちは、“相棒”ってだけだった。
……私はそれでも十分嬉しかったんだけど今では、ゼロと“恋人”…に………
なっちゃったんだよね……?
私は、ゼロに気づかれないように、一人で胸のドキドキを抑え込んだ。
ふぅ、と気持ちを落ち着かせて、ゼロを見る。
……それにしても、本当に肩幅とか大きくなったなぁ…。
私は、前ならえするように、ゼロの方へ腕を伸ばして、ゼロの肩幅を密かに測る。
……こんぐらいかな?
私が、手を広げたり、狭めたりしていると、ゼロがふいに私の方を見て言った。
「ん?抱っこ?」
「ち……ちちち違う!!」