ゼロの相棒《番外編》
かぁっ!と顔が赤くなる。
私が全力で否定すると、ゼロは「ふーん。」と、呟いて、夕食の準備に取りかかる。
だ……抱っこ……だなんて。
これ、本当にゼロ?!
私と初めて会った時に、助けてくれたお礼を言ったら、ぶっきらぼうに
“別にたまたま通りかかっただけだ”
なんて、言ってたのに!
私は、まじまじと、ゼロを見つめた。
すると、ゼロが、眉を寄せて言った。
「今度は何だよ?」
えっ?!な……何って言われても…。
私は、すぅ、と呼吸をして、ゼロに答える。
「何だか、ゼロが優しくなったっていうか…。あ…甘くなったっていうか…。」
すると、私の言葉に目を見開いたゼロは
すぐに、にっ、と笑うと言った。
「当たり前だろ。……フィオネはもう、ただの“相棒”じゃ無くなったんだから。
……そりゃ、“いろんな顔”見せるよ。」
「“いろんな顔”……?」