ゼロの相棒《番外編》
私が呟くと、ゼロは手に持っていた缶詰を置いて、くるり、と私の方を向いた。
そして、ぼそ、と呟く。
「知りたい?」
え?……えええ?
意味深な笑みに、私は目をぱちぱちさせる。
なんか、ゼロの色気がだだ漏れすぎて、私ばっかり翻弄されてる気がする…。
すると、ゼロが私の方を見て言った。
「フィオネも、もっとして欲しいこととか言っていいんだぞ?
なんか、俺が少年の頃より距離を感じるんだけど。」
そりゃ、緊張しちゃうから、距離置くわよ。
……って、“して欲しいこと”って?
私が?を浮かべていると、ゼロが続けた。
「もっと、恋人らしいことをしたい、とか。
……せっかく元に戻れたんだから、いろいろ出来るけど?」
…“恋人らしいこと”?
「例えば?」
私が尋ねると、ゼロは少し考えて言った。
「…手を繋ぐとか、抱きしめるとか
……キスするとか。」