ゼロの相棒《番外編》
****
「さ、着いたぞ。」
三日後。
予定通りに、私たちは目的地に到着した……
………んだよね?
「ゼロ。……本当にここが“華の町”?」
私たちの目の前には、赤い門。
そして、中には男性ばかりが歩いている。
ゼロは、合ってるよ、と言って
私を連れて町の中に入る。
私は、想像していたものと全く違う世界に、少し動揺しながら辺りを見回す。
そこは、昼間なのに暗く、町には提灯が無数に明かりを灯している。
「この町は、一年中“朝が来ない”町なんだよ
…不思議だよな。」
ゼロが、歩きながらそう言った。
そうなんだ…。
ゼロが言うには、この町の周りには地下から靄(もや)が出る場所があるらしく
その靄が町中を包んでいるため、陽の光が届かないらしい。
低い建物の窓から、綺麗な着物を着た女の人が笑っているのが見える。
………そんな建物ばっかり。
私は、顔をしかめて、ゼロに尋ねた。
「ねぇ、……ここって、どんな町なの?」
すると、ゼロはさらり、と言い放った。
「ん?“遊郭”。」