ゼロの相棒《番外編》
するとその時、私たちが通る横の部屋から、何やら聞き覚えのある声が聞こえた。
「ん?なんだ…?」
ゼロが、開いている襖から中を覗くと
「んお?!!!
ぜ……ゼロじゃねぇか!!!
元の姿に戻れたのか?!!!!」
がばっ!と、大柄の男が抱きついてきた。
ゼロは、それを一瞬で振り払う。
!
この人は……!
そこに居たのは、紛れもなく都市で会ったゴリーだった。
ゴリーは、私に気付くと、にっ、と笑って言う。
「お、フィオネちゃんも一緒か!久しぶりだな!」
私は、ぺこ、と頭を下げた。
相変わらず元気な太陽みたいな人だ。
話すだけで、私も元気になる。
ゴリーは私とゼロを交互に見た。
そして、ニヤ、と笑って言う。
「お前たち、一体こんなとこで何してんだ?
………もしかしてフィオネちゃんと一線を越え「ゴリー!!!!!」
ゴリーの言葉を、ゼロの怒鳴り声が遮った。
な……何?
ゼロは、「気にするな、フィオネ。」
と私に落ち着いた声で言う。
すると、ゴリーは、楽しそうに笑いながら言った。
「ま、元気そうでなによりだ!
またお前らに会えてよかった!」