ゼロの相棒《番外編》
私たちはつい、大声で叫ぶ。
…そしてそれを止めるゴリーの声も大きい。
私とゼロは、一度息を整えて、ゴリーの話を聞いた。
「そいつの名前は“オーガ”というんだが
なんでも、とんでもない魔力の持ち主で、リベリオンの創設者とも言われる輩なんだそうだ。」
リベリオンの創設者……!
そんな奴がいたんだ…。
確かに、ルナータも、ガルシアも、リベリオンに入って、悪党として有名になったんだもんね。
それは、彼らが入る前からリベリオンがあったということだ。
ゴリーは、声を潜めて言う。
「そんで、このオーガはタチの悪い魔法をかけるみたいでな、“心映変貌魔法”を得意とするらしい。」
ゼロは「“心映変貌魔法”?聞いたことないな。」と、呟く。
「“心映変貌魔法”ってのは、相手が一番嫌いだと心で思ってる姿に、容姿を変えてしまう魔法らしい。」
ゴリーの言葉に、私は考える。
…つまり、見た目が魔法で変わっちゃうってことよね?
ゼロは、隣で腕組みしながら黙っている。