ゼロの相棒《番外編》
華の町の赤と白
「…妙な魔力を感じたと思ったら…
あんただったのか、ゼロ。」
透き通るような女性の声に
私たちは、ばっ!と声の方を向く。
すると、そこには瑠璃色の髪を後ろで結び、銀の鈴の簪をつけた色白の女性が立っていた。
髪の毛の色と同じ瑠璃色の瞳が、キッ、とこちらを睨むように見ている。
「あっ!“ホノ”さん!」
ゴリーが、女性を見上げて叫んだ。
それを聞いて、ゼロも「あぁ!」と、目を見開く。
ゼロ達の知り合い?
「ゴリーも来てたのか。
…まったく。紛らわしい魔力を漏らすな。オーガの魔力と勘違いしたじゃないか。」
彼女の言葉を聞いて、ゼロが言った。
「オーガのことを追っているのか?」
「あぁ。アサギ様にも頼まれているしな。」
彼女は、そう答えると、
ちら、と私の方を見た。
「…そちらの女性は?」