ゼロの相棒《番外編》






ぴきっ。






私とゼロの間の空気が凍りつく。





「違う!身に覚えがねぇ!!


ってか、俺はそんな男じゃねぇっ!!」





ゼロは、ホノの軽蔑を込めた言葉を全力で否定する。





「じゃあお前は知らず知らずのうちに、その無駄に整った外見でこの女を引っ掛けてたのか。


罪な男だな、お前は。」




「だから違うっつってんだろ!!」





私はその様子を無言で見つめる。






……ゼロは知らないって言っても、その女の人はゼロのことを知ってる。







ゼロ、嘘ついてるの…?







この町に入った時には

“俺は女ならフィオネにしか興味ねぇんだから、変なこと気にすんじゃねぇっ!”

とかって、言ってたのに。








………すっごく嬉しかったのに…。









……………………。









私は、自分で思っている以上に、ゼロに冷たい視線を送っていたらしい。






ゼロは、私の顔を見て、さらに焦り始めた。






「フィオネ、誤解だ!


ほ…本当に俺はこの女と初対面なんだ!」






ゼロは、やっとの事で、べり、と女性を引き剥がして言った。






「……っあんた、一体誰なんだよ!」





< 275 / 357 >

この作品をシェア

pagetop