ゼロの相棒《番外編》
ぴきっ。
私とゼロの間の空気が凍りつく。
「違う!身に覚えがねぇ!!
ってか、俺はそんな男じゃねぇっ!!」
ゼロは、ホノの軽蔑を込めた言葉を全力で否定する。
「じゃあお前は知らず知らずのうちに、その無駄に整った外見でこの女を引っ掛けてたのか。
罪な男だな、お前は。」
「だから違うっつってんだろ!!」
私はその様子を無言で見つめる。
……ゼロは知らないって言っても、その女の人はゼロのことを知ってる。
ゼロ、嘘ついてるの…?
この町に入った時には
“俺は女ならフィオネにしか興味ねぇんだから、変なこと気にすんじゃねぇっ!”
とかって、言ってたのに。
………すっごく嬉しかったのに…。
……………………。
私は、自分で思っている以上に、ゼロに冷たい視線を送っていたらしい。
ゼロは、私の顔を見て、さらに焦り始めた。
「フィオネ、誤解だ!
ほ…本当に俺はこの女と初対面なんだ!」
ゼロは、やっとの事で、べり、と女性を引き剥がして言った。
「……っあんた、一体誰なんだよ!」