ゼロの相棒《番外編》






…早くオーガを捕まえないと…




ゴリーさんも一生このままだ。







……一生……。








………。









「フィオネちゃん、密かに笑ってるだろ。」




「……いえ。………すみません。」





ゴリーが私をじとっ、と見て言ったので
私はその視線を避けるようにして謝った。




だって、あんなにガタイがよくて、男らしいゴリーさんが、こんなか弱い女の子になっちゃうなんて






…ちょっと、予想外で…。






やりとりを見ていたホノが、真顔で言う。




「悪いな、ゴリー。お前が一生このままでもここで雇ってやることは出来ないぞ。」



「ホノさん。それ、遠回しに“ブス”って言ってますよね。」






その時、ゼロが腕を組みながら言った。





「奴の魔法ってどんな感じなんだ?」





それを聞いて、ゴリーは身震いして答える。




「奴はいきなり手から黒いイバラのようなものを出して、それに捕まって…気づいたらこの姿になってたんだ。」





…ということは、その黒いイバラに巻きつかれたら、姿を変えられてしまうってこと?




ホノが、目を細めて言った。




「とりあえず、私はこの建物の中を回って、怪しいやつを探してみる。


奴がいるかもしれないからゴリーとフィオネさんは、この部屋にいた方がいいだろう」




すると、ゼロがホノを引き止める。




「いや、捜索は俺が行く。


魔法の使えるホノが、ここに残って
フィオネたちを守ってやってくれ。」






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