ゼロの相棒《番外編》
「……邪魔をするな。」
オーガは、ギロリと睨み低い声で呟いて
ゴリーとホノを魔法で投げ飛ばした。
二人の体は、ダン、と壁に打ち付けられる。
「かは………っ!」
ゴリーが小さく息を吐き、飛ばされた衝撃で動けない体を、ずるずる、と壁に沿わせる。
……ゴリーさん…ホノさん!
その時、私の腕をオーガが強く掴んだ。
「さぁ、大人しく来い。
そうすれば、もうお前の仲間には手を出さない。」
「……っ!」
私は、抵抗して腕を振り切ろうと思ったが、これ以上ゴリー達を傷つけるわけにはいかない。
……どうすればいいの…?
ぎゅっ、と目をつぶった瞬間。
まぶたの裏に、ある人の姿が見えた。
私は無意識にその名を呼び、叫ぶ。
「ゼロ…!助けて……!!」